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―――岡山は今回で2回目ですよね。1回目のときのライブを拝見しました。
斉藤 いやー、奇跡的だわ、それ。
須藤 すごいなー。メレンゲとかキャプテンストライダムとかのイベントのときで、初めて岡山に来たときだ、それ。
―――そう。で、変な名前のバンドがいるなぁと。失礼なんですが、予備知識がまったくなかったんですよ。確かそのイベントは1年半くらい前だと思うのですが、その頃はまだインディーズだったんですか?
2人 そう!
―――「なんだろう?」と思って…。ドラムが2人だし、ヴォーカルはバラ持ってるし、「むっちゃかっこいい!」と思って。
須藤 かっこいいんだ(笑)。かっこいいに結びついちゃうか、それ。
―――周りにもさんざん「いい!」って言い回ってるので、明日のライブでは、その期待を裏切らないでいただきたいなと思ってるんですが(笑)。
斉藤 それは、約束しますよ。だって、すっごくいいライブになるような気がする。ペパーランドの話を聞いたらね。
―――ペパーランドはよく奇跡が起きてる気がしますね。ハコの小ささもあるし、歴史もあるし。気に入っていただけるとうれしいんですが。でもステージに全員載るのかなと思いまして。
須藤 あぁ、セットがね。まーでもね、載んなかったら載んなかったまでですよ。
斉藤 何かをやらせますよ。ドラムとか、まったくなくてもいいんですよ、うちは。
―――何でもいいので、いいのを見せていただけたら…。
斉藤 何でもいいんかい(笑)。
須藤 でも、ライブってそうだよね。
―――当時のインディーズの頃と今を比べて、バンドとしての気持ちだとか、何か変わってることはありますか?
須藤 うーん…。変わってるものもあるだろうし、変わってないものもあると思う。普通の答えだけど…。でも、何が変わったかは分からないな。流れるように来たから。これといって、何か大きな意識改革はなかったし。
―――メジャー・デビューしたからといって「これは変えないようにしよう」という意識もなく、自然な流れで?
斉藤 そうだねー。メジャーに行って魅力がどんどんなくなっていく人をいっぱい見てるから、むしろ何も変えないってことの方が一番重要かなって感じてて。変えたいと思えば変えるけど、特に何も意識してないかな。
―――メジャー・デビューする前からスタイルが確立していたからなんでしょうか?
須藤 だろうね。何をやっても、最後は髭のサウンドになるから。
―――大好きなバンドがそうであってくれるのはうれしいですね。
須藤 そばにいるぜぃ、ですよ(笑)。いつでもそばにいるぜぃ。ちっちゃい「ぃ」ですよ(笑)。
斉藤 笑うツボのポイントが分かんねえけど、分かるよ(笑)。
―――とはいえ、前作『Thank you,Beatles 』と比べると、新作『I Love Rock n' Roll 』は、最初「おおっ、どうしたんだ!?」って思いましたが。
斉藤 ああ、違うってね。
須藤 でも俺も、きっとそういうふうに感じてくれる人が多いだろうなって思った。どういうアルバムにしようかってことを話さないまま作ったから、狙ったわけじゃないんだけど。『Thank you,Beatles』とはまた色合いが違うから、きっと驚く人、喜ぶ人、がっかりする人いっぱいいるんだろうなって。でも、そういうの総括してうれしかったというか、楽しみというか。
―――無意識のうちに今回のようになったんですね。
斉藤 すごく素直なアルバムだと思うんです。これを作ったときにやりたかったものが反映されてるから。前の状況をかたくなに守るでもなく、かたくなに新しいことをやろうとしたわけでもなく、ものすごく自然な感じ。
―――今作には、打ち込みが入っていたり、ボコーダーが使われていたりします。
須藤 そうそう。単純にやってみたくって。
―――今まではやるタイミングじゃなかった?
須藤 それまでは、俺たちが今まで持ってるギターロックとかでも最高だったんだ。それで楽しかったの。でも、ちょうど『Thank you,Beatles』が終わったあたりから、もっとレコーディングでいろいろやってみたいっていう好奇心が芽生え始めて。
―――5人ともが?
須藤 うん、まぁ俺が思って、そうさせたのかどうか分かんないけど(笑)。で、そのタイミングでボコーダーであれ、サンプリングであれ、やってみてすごく楽しかったんだよね。
―――「やってみたい」と思ったまんまが出来上がった感じですか?
須藤 そうだね。まだまだ稚拙なところもあるかもしれないけど、なんかこのアルバムにすごく愛情を感じてて。実験をしたってことに対して満足してるというか。
―――今回やった実験というのは、さらに次作に生かされるんでしょうか?
須藤 分かんないなぁ。まだ、あまり曲を書いてないんだよね。またみんなで話して楽しいアルバムを作りたいとは思うけど。
斉藤 本当にそればっかりは分かんないからね。でも、おもしろいものにはなると思う。また自分たちが一番おもしろいと思えるものができると思うし、聴いてくれる人にはそういうものを届け続けたいと思ってるから。
須藤 っていうか、そんなのまだ見たくない、みたいな(笑)。ちょっと疲れてるから。
―――あまり計画的にされても、らしくない気がしますね(笑)。
斉藤 計画性ゼロですから(笑)。
須藤 本当にそうだよ。前のミニ・アルバム『Thank you,Beatles』を作り終わって、今度は曲を書き下ろして新しいアルバムをフルで作ろうよって、1カ月で30曲ぐらい書いたけど、もう曲がバラバラだったもん。そのぐらい自由に書いたよね。
―――今作の「ロックンロールが大好き」というタイトルは、最終的に付いたんですか?
須藤 うん、もうほとんど後半だったね。
―――いろんな曲が入ってますが、根底にあるのが「I Love Rock n' Roll」という気持ち?
須藤 そうそう。本当は日本語にしようかと思ったんだけどね。『私はロックンロールを愛しています』って。でも堅苦しいでしょ。
斉藤 最後を「。」にしていいのか、「…」にしていいのか、それが難しくてね、挫折したんです(笑)。
―――いろいろ実験してみても、やっぱりロックンロールがいいなという答えにたどり着いたのかと思って。
須藤 うん、そうだね。
斉藤 50年先に「I Love Rock n' Roll」って言っても、多分今と変わらない認識なんじゃないのかなと思って選びました。みんなが共通に持ってるものを言葉にしたかったというか。だって、あまりマニアックなタイトルにしちゃうとね…。あと、意味の取り方は人によって違ってていいと思ってます。
―――確かに。でも、髭の歌詞に出てくる言葉は、けしてポピュラーじゃないものも。
須藤 やっぱり、緩急を使い分けてはいるとは思う。その場面で痛い言葉をわざと突きつけることによって、むしろそれがひっくり返って、痛みを伴わない言葉になるような。本質的に、自分に皮肉屋が入ってるんだよね。そういった言葉に関して、意味や文法が間違っていようが、間違ってなかろうが、それよりも何かをその気にさせるかさせないかが大きいな。逆にわざとヘンテコなことを書こうってことだけはやめてる。本当に意味のないものになるから。そこは際どいとこなんだけどね。
―――今作のアルバム・ジャケットは1stアルバムのジャケットに色が付いただけなんですが…。
須藤 (爆笑)。あ、気付いちゃった? 色が付いたってことは、そりゃあ大きな差があるよ。大きな意味があるんだよ。多分ね。
―――イラストのおあじさんにあごひげがないバージョンも過去にありましたよね。
須藤 あれはシングルだね。渋谷のタワーレコードに「ひげさん」っていうニックネームの人がいるんだけど。1stアルバム『Thank you,Beatles』が出るから、先行シングルをタワレコとビクターで協賛してやろうっていう話になって。そのときにあいつにあごひげがなかった。ただそれだけ、意味ない(笑)。
―――アルバムになると髭が伸びちゃって、今度は光っちゃったってこと?
斉藤 うまいこと言うね。
―――『タウン情報おかやま』のページはモノクロなんで、どっちも変わらないんですけど…。
斉藤 あーまずいなー。
須藤 やばいね。2ndの方がちょっと薄みがかってるだけみたいな(笑)?
―――では、最後に今後の意気込みを聞かせてください。
須藤 意気込みはないですけど、「世界征服してやるぞ」くらいですかね。あ、それ意気込みか。地球の形を、髭のこのジャケットのイラストにしたいですね。100年後にはこれがプカンと宇宙に浮かんでるみたいな…。
斉藤 もー笑うところが分かんないけど、分かるよ。これが地球だったらそりゃすごいよね。
―――そういうトークはお酒の席でお願いします。ありがとうございました。
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