未開拓の自分にも出合いたいし…、
挑戦する気持ちを忘れずにやっていきたい。
−−−今作『御中元』は新曲に加え、ゲストを迎え今までの曲を新たに収録し直した曲も入っています。このような形にしようと思った訳は?
前作『ただいま』は、これ以上のものはできないかもしれないっていうくらい、出せるすべてを出し切った作品だったんです。それを作り終えてから、次どういうふうにやっていくかって考えたときに、今までプラス新しく行くべき道を見つけたいな、と。
−−−具体的には?
音楽としてよいものですね。今までは「自分の感情を伝えたい」とか、「聴いてもらいたい」とか、歌詞に重点を置いた作り方をしてきたと思うんです。歌詞の中身に目が向き過ぎてしまっていて、音楽の力を借りてそれを伝えているだけというか。だけどそれだと、例えば街中で私の曲がかかっていたときに、すぐには歌詞の細かいところまで伝わらないじゃないですか。で、それを音楽として聴いたときにどうなんだろうって考えたら、今までの作品は未完成かもって思ったんです。だからそこを克服しつつ、音楽としてもよいものを、と。だからゲストの方を迎えて、サウンド作りに時間をかけて作りました。
−−−力を出し切ったあとって、次がプレッシャーになることもあると思うんですけど、すんなり次作の答えにたどりついたんですね。
いえ、それが実は大変だったんですよ。今まで感性が赴くままに、指が動くままに音楽を作ってきたタイプで、ある意味最大の自然体でやってきたんですね。それが、今回はすごく頭を使って…。自分がこうやりたいっていうことは置いておいて、最小限伝わるもので最大限必要な音をプロデューサーにお任せしました。今までピアノを弾きまくるっていうやり方でやってきたけど、それを二の次にするっていうのが葛藤でもあり、新しい発見にもつながり。「確かにここはこんなにピアノは必要ないな」みたいなものも見えて、曲にふさわしいアレンジっていうのを勉強できたと思います。
−−−ゲストミュージシャンが、自分が好きな人ばかりというのも、成功のカギだったのでは?
そうですね。刺激を受けつつのレコーディングでした。周りのゲストミュージシャンは音楽を愛し、それぞれの世界観を確立してる人ばかりだったので、みんなのいいエッセンスをぎゅっとアルバムに詰めさせてもらった感じで…。
−−−そんなゲストミュージシャンのおかげか、6曲と曲数が少な目からこそ、それぞれの個性が際立っているように感じます。バラエティさっていうのは、意識したんですか?
はい。アルバムを作るにあたり、まず形式を考えたんです。例えばデュエットとか連弾とか。で、「この曲だったらこの人かな」みたいな感じで、希望のミュージシャンを挙げてみて。ダメ元の気持ちもあったんですが、第一希望の人がすべて通っちゃって。だから、自分にとって「夢がかなっちゃったアルバム」なんです。
−−−どの曲の個性もステキですが、特にインパクトがあったのがシングル化されている『夏』。ちょっぴりロックテイストで、ヨエコさんの今までのイメージとちょっと違うというか…。この曲はシングル曲として作った曲なんですか?
「新曲の中で一曲だけみんなに聴いてもらうとしたらどれだろう?」と考えたとき、これだなって思ったんです。確かに、今までのイメージとちょっと違うわって思った人は割りといると思いますね。でも、そのイメージにとらわれず、「本当にいい曲を書きたい」っていう気持ちだけで作った作品なんです。自分にとって新しいジャンルの曲に仕上げられた気がしていますね。あと、声の出し方や歌い方も、これまでにない感じで、発見がとても多かったです。
−−−この作品をきっかけに、今後やる音楽に、さらに幅が出てきそうですね。
そう思います。自分自身、聴く音楽もジャンルに関係なくって感じなんですね。たまたまやってきたのが昭和歌謡とか、ジャズとか、シャバダバとか…。個性を出しやすいジャンルだったからっていう理由でやってきただけで、できることならどんな音楽でも挑戦してみたいなって思ってます。今回の『夏』のように、未開拓の自分にも出合いたいし。挑戦する気持ちを忘れずにやりたいですね。 |