笹川美和-Live&Interview
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笹川美和
PROFILE / 新潟生まれ、新潟在住。小学2年生からピアノ教室に通い始め、その後、賛美歌やゴスペルなどにも影響を受けることに。00年よりインディーズ活動をスタートさせ、03年にシングル『』でメジャーデビュー。06年、各所でライブ活動を精力的に行う中、8月30日にシングル『朧月夜/過去』をリリースした。 オフィシャルサイト

写真1 今はやっぱり何か得るものがないと嫌っていうか。
目指すは、「プロ意識がついたナチュラル感」かな。


−−−笹川さんは新潟出身、新潟在住。新潟ってミュージシャン多いですよね。

何気にたくさんいるんですよ。スネオヘアーさんにDOUBLEさん、小林幸子さん、三波春夫 さん…。

−−−意外に都会だったりするんですか?

東京らしい華やかさは特にないかな。結構普通だよね(笑)。

−−−実家のあたりも?

新潟市内よりも山形寄りなんですけど、かなり田舎です。海のある街で風が強いので、あまり雪は積もらないんですが。

−−−自然の中で育った子なんですね。

今でも自然の中で育ってます(笑)。

−−−もともと音楽っ子じゃなかったと聞いてます。音楽を聴く限り、ルーツミュージックを尋ねたくなるような感じなんですが。

私はCDを買うという行為をあまりしてこなくて。最近になって一枚、二枚アルバムを買うようになったかな。昔から好きなのは、サイモン&ガーファンクルとかビートルズとか。あと70、80年代あたりの拓郎さんとかユーミンさんとかが歌う歌謡曲が好きですね。親が買ってたりして、聴いてたんです。あの頃のって、無理のないコード進行だったりするじゃないですか。あと、歌詞数が割と少ないんです。日本語を大事にしてるなぁという感じが、私には耳馴染みがよくて。

−−−高校時代は賛美歌に触れる機会があったとか。

高校がキリスト教だったので、毎朝必ず礼拝があって、そのときに賛美歌を歌うんです。それで、いいなぁと思うようになって。

−−−知らず知らずのうちに聴いてた音楽がバックボーンになってる感じ?

みたいですね。こーしたい、あーしたいって思ってきたわけじゃないんですが、言われてみれば影響されてるんだろうなって気はします。

−−−小学6年生のときに、初めてオリジナル曲を作ったそうですね。

そのときから、今みたいな音楽作ってました。そんなドロドロした恋愛の歌とかは歌ってないですけど(笑)。曲調とか作りとかは変わらないかな。

−−−どういうタイミングで曲や歌詞は生まれるんですか?

自分の分析によると、地元に住んでることが、一番曲に影響してるんじゃないかなって。自然が多いっていうのと、あと新潟は四季がすごくはっきりしてるんで。そこにいれば、自然とキャッチできるんです。具体的にそれが何なのかは分からないんですが。あとは、家族と暮らしているっていうのも、何かしらの影響がありそうですね。

−−−実家に住んだり家族と暮らしたりすることって、そんな特別なことじゃないっていうか。割と多くの人がそういう環境にありますよね。となると、日常から生まれてきた音楽ということになるんでしょうか?

そうですね。私は実体験を交えた歌詞のほうが圧倒的に多いので、新潟での日常生活っていうのがかなりカギになっていると思います。

写真2

−−−そして、過去にはさまざまな作品をリリースしてきていますが、アルバムはもう3枚も出しているんですね!

大変でしたよー。ここまでの道のりは…ねぇ(笑)。3枚目のアルバムまでは、メジャーデビューしてから学ぶものが多く…と言えばいいんですけど、環境が定まらない中で曲作りをしなきゃいけなかったから大変でした。制作に「期限」ってものが出てきましたからね。そんな状況の中で、自分が歌いたい曲をどう守っていくかがなかなか大変で。だから、この3枚を作るのは、自分にとって修行でした。もちろん、楽しみながら。アレンジもいろんなものに挑戦したし。だけど、今回の『朧月夜』からは肩の力を抜き始めまして。そろそろいいかな〜みたいな。インディーズの頃のようにやっていこうかなって思って。

−−−修行した3年間を経ての今と、インディーズの頃とはやっぱり違いますよね?

どこか違いますね。インディーズの頃は何も考えずに好きに歌っていたんですが、今はやっぱり何か得るものがないと嫌っていうか。あ、「プロ意識がついたナチュラル感」って感じかな!?

−−−それができたら一番いいですよね。

ですよね。うまくいくといいんですけど。

−−−ちなみに『朧月夜』は、肩の力を抜こうと思ってできた曲ですか? それとも出来てみたら、肩の力がいい具合に抜けてたんですか?

私、今まではピアノの前でしか曲を作ったことがなかったんですけど、この曲は自転車に乗ってるときに、鼻歌から出来た初めての形でして。最初、冗談交じりで、「今日、こんな鼻歌ができてさー」なんて言ってたんですけど、「曲にしちゃえばいいじゃん」って言われて。その後、ピアノに向かって作り始めたんです。意外と楽しかったから、今度からはこんな作り方もいいかも。鼻歌のときはどんなコードにするかは決まってなかったんですけど、自分が一番ラクちんなCの、シャープも何もないコードで作ったら、ちゃんとできました。

−−−私自身もピアノを習っていたんですが、ピアノの前に座っても、まったく曲のイメージが沸いてこない(笑)。当たり前過ぎて失礼な発言ですが、やっぱプロですよねー。

そうですか。そんなことないですけどね(笑)。私、自分に才能あるって一度も思ったことがないんで。あまりにも音楽っ子でこなかっただけに、この仕事やってていいの?っていう思いはありますよ。周りのミュージシャンは音楽に熱いものを持ってる人が多くって。見習わなきゃいけないですね。

−−−でも、もちろん自分の音楽に対してはこだわってるというか、熱いんじゃないですか?

そうですね。そのへんは、頑固なんだかなんなのか。自分が歌っていて気持ちのいいもの以外は嫌なので。

−−−この『朧月夜』も、歌っていて相当気持ちいいんじゃないですか?

そうですね。スローテンポがやっぱり得意分野みたいで、気持ちよく歌えてます。

−−−サウンドと声のトーンの息がぴったり合っているというか。歌詞の内容ヌキにしても、ものすごく気持ちよさが伝わってきます。

基本、私は洋楽派なんです。洋楽ってメロディじゃないですか。歌詞がいいって言ってもらえるのもうれしいですけど、自分としてはメロディと歌詞が一体だと思ってるんで、その言葉はありがたいですね。

−−−そして、もちろん歌詞も笹川さんならではの世界観が詰まっていて、情緒的ですね。

ありがとうございます。このたび、「朧月夜」ってかなりしつこく言ってます(笑)。もともとくり返すことは多いんですけど、ここまでのことはなかったですね。この曲は地元でなければ生まれなかった曲で。実際に、そばに親戚がいるので、これを持っていってくれって頼まれて、自転車に乗っていったんです。歌詞は、実体験そのまんまで。

−−−聴いていて、なんだか映像をくっつけたくなる曲だなぁと思いました。

そうですね。これはすごく子ども向けの曲だと思っていて。しばらく自転車に乗ってなかったから、本当に自転車に蜘蛛がくっついていて。っていう、ちょっとおもしろい遊び心も入った曲なので、映像にしたら子どもが好きそうな絵になるかなって。

−−−でも、大人も読める絵本というか…。

大人だと、もっと深いところまで読めるっていうか。田舎で、昔は舗装されてなかった道が舗装されてるのを見るとちょっと悲しくなるんですよね。そういうのが歌詞にも出てるので、そのあたりまで汲んでくれるかなって気がします。

写真3

−−−会ってみて思ったんですが、見た目よりも年齢が上って感じの歌詞ですよね。

よく言われるんです。私、歌いだした頃なんて、おばさんだと思われてたみたいで。「意外と若いんですね」って言われたから「20代後半くらいに思われてたのかな」って思ったら、いい年配の沖縄の方だと思われていたみたいで。

−−−あぁ、なんか分かる気がします(笑)。歌詞を読んでると、笹川さんが住んでいるところに行ってみたくなるような…。

何もないですよー。

−−−日常を情緒のある世界に変えてしまうマジックにハマってしまっているんでしょうね。そして、今回ダブルA面ということですが、『過去』は会った印象そのままの年齢っていうか(笑)。

あ、年齢ですか。「暗さ」がかと思いました。歌だけ聴いてる人には、物静かな感じだと思われることが多くて。

−−−どっちのキャラで売り出してるんですか?

最初の頃は事務所に押えろって言われてたんですが、オールナイトニッポンをやったあたりから、もうダメだって(笑)。それから、だいぶラクチンになったんですが、やり過ぎると押えられる…。でも、ファンの人も分かってきてるみたいなんですけどね。

−−−それならラクですね。『過去』は、ダブルA面だからこそ、1曲目と対比してしまうんですが、かなり落ちてる感じの内容ですよね。

この曲は自己嫌悪に陥った次の日に書いた曲です。嫌なことがあると、ピアノで曲を作って消化するタイプで。あふれ出すように作りましたね。私、曲を作るとき、順調だと10分か15分で作るんです。リアルに言いたいことがすごくあったんで、今回も早かったですね。

−−−自己嫌悪に陥るときって、オーバーめに落ちるものですよね。

そうそう、オーバーめに落ちます。私ってネガティブなんですね。ポジティブに見られがちなんですが、自分のことになるとマイナス思考で。落ちるとすごく落ちるんですけど、そういうときは過剰に落ちてサッパリするっていうか。歌いながら泣いたりします。で、ピアノをパコッと閉めるとスッキリしてるっていうパターン。

−−−でも、そんなときにひとりでいるよりも、そばにピアノさんがいてくれたほうが…。

そうなんですよ。うちのピアノは優等生で…(笑)。でも、「私の宝物はピアノなんです」って言うクラシックの方に比べたら、フレンドリーな付き合いかも。向こうも気分が乗らないと、いい音出してくれないっていうか。「今日こいつダメだな〜」みたいな(笑)。そんなときがあれば、「よく分かってくれてるじゃん」みたいなときもあり。

−−−聴き手は、2曲を通して違った一面を見ることになりそうですね。

そうですね。今回、もう1曲収録しているんですが本当に3曲3様で。3曲目の『安息日』はボサノヴァ調なんです。

−−−何でも作れますね。

アレンジャーさんががんばってくれたんですよ(笑)。インディーズの1枚目からずっと同じ方にお願いしているので、私が好きなものを全部知ってくださってるんです。最近、より私好みのアレンジにしてくれるんで、いい環境でありがたいですね。今回のシングルをきっかけに、ちょっとずつ肩の力が抜けてきている感じなんで、次の作品も自分好みの作品にしたいと思ってます。



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