ズボンズ-Live&Interview
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ズボンズ
PROFILE / メンバーは、ドン・マツオ(vo、g)、マッタイラ(key、vo)、ムーストップ(b)、ポッキー(dr)。94年結成。97年にCDデビューを果たし、その後精力的に活動。全米ツアーを行ったり海外でCDをリリースしたりと、国外でも大きな反響を得る。02年に現メンバーに落ち着き、06年にはドン・マツオがソロアルバムを発表。11月18日に、約2年ぶりとなるアルバム『B★B★B』を発売。12月14日(木)ペパーランドにて、岡山ライブが決定。オフィシャルサイト

写真1 大変な道とラクな道があったとしたら、
俺たちは今回絶対に前者のほうを選んだよ。


−−−昨日の岡山ライブは、京都のイベント出演のついでに決まったとか。

そうですね。「borofesta」っていうイベントへの出演で、京都のほうまで行くことが決まっていて。その前夜祭と最終日での出演依頼があったんですね。それで、「間の2日間をどうするか?」って話になったとき、全員一致で「ライブをする」ってことになってね。それで、昨日岡山でやる運びになったんです。

−−−ブッキングはすべて自分たちでやってるんですか?

そうね。誰かにマネージメントを委ねると、どうしても活動が窮屈にならざるをえない気がするから。僕らってライブと同じで、活動自体もアドリブ派なんです。すごく変則的。だって、今回のツアーも、リリースがあるからツアーをするわけじゃなく、たまたま始まったって感じで、こんなことはよくある話ですからね。

−−−アドリブ派ということですが、昨日の岡山ライブもアドリブだったわけですか?

僕らセットリストを決めないんですね。だから、僕もメンバーも、その日のライブがどう進んでいくかは予想しないことにしていて…。予想できないっていうよりも、予想しても無駄っていう境地だから(笑)。昨日も一緒にイベントに出たKetchup Headsのメンバーに、楽屋で「1曲目に、あの曲聴きたいんですよね」って言われて、「じゃ、そうしようか」っていうところから始まった感じでした。

−−−それにしても、ライブ初っ端は、お客さんがおとなしめだったと思うんです。でも、「それ構わず」って感じで、飛ばしてましたよねー。

まぁ、日本に限らず海外でやっているときも、1曲目からすごく客がノッてくるっていうのは稀なんですね。でも、お客さんの反応に振り回されてたら、「負けモード」に入っちゃうから。もちろん僕らも手探りしながらライブをしてるけど、ノッてないのを客のせいにするのは、僕らのマナーとちょっと違うので。どういう環境であれ、最終的にはグッとつかむつもりでやってます。

−−−まんまと、つかまれましたよ。「ライブ中、自然に体が動く」っていうのは、ありふれた表現なんですが、今までのソレとは格段にレベルが違いました。そんなステージを今日も明日もしちゃうんですね。

そうだねー。

−−−すごいエネルギー! そして同じパワーが新しいアルバム『B★B★B』の中にも詰め込まれていますよね。何作目になるんでしたっけ?

多分8枚目くらいなんだよね。間に、「これを1とカウントしていいのか?」みたいなのもあって。でも、僕自身のクリエイティビティには、まったく陰りがないですね。レコーディングするにあたって、「こっちにいったら大変なことになるだろう」「こっちのほうがラクだろう」っていう2つの道があったとしたら、俺たちは今回絶対に大変なほうを選んだよ。

−−−大変な道を選ぶ覚悟が決められたのは、どうしてですか?

まず、バンドの調子がいいってことを自覚してたからじゃないかな。今、僕らよりいいライブやるバンドはいないって思ってますね。そういう自負がどこからくるって、おそらく去年2回アメリカツアーをやって、今年オーストラリアツアーをやって、そのリアクションが前にアメリカツアーをやったときのリアクションと比じゃなかったところですね。もう嵐のようなリアクションで! 年間のクラブ・アクト・ベスト10に選ばれたりもしたし。だって、そのベスト10に入ってるのは、僕ら以外にジョン・ケイルとか、トゥーツ&ザ・メイタルズ とかだよ。大御所ばかりの中に、ズボンズが入ってる。でも、僕にはちっとも不思議じゃなかったですね。僕らはそれくらいスゴイって自分で思ってたし。で、「バンドで高まっているエネルギーをレコードに!」ってときに、少々大変でもこらえられるだろうなって思ったんです。大変になればなるほど、そのレコードに愛着が沸くもんですしね。僕らがこの夏に何をしたのかっていうのを、ナイフで腕に刻み込むような形で残したくって。だからその分、メンバーは多少つらい部分もあったと思いますよ。僕に人格否定に近いようなこと言われてたからね(笑)。でも僕らは、それで音楽をやるのが嫌になるっていう関係性じゃないですから。ひとつの作品をともに作りあげて、その成果がどういうものかっていうのは、メンバー自身が実感として分かっていると思います。

−−−バンド内の結束もさらに強くなったんでしょうね。

そうだと思います。あと、今回のアルバム制作を通じてよくなったなって思うのは、メンバーのプレイに魅力があることを、僕自身が改めて感じられたことですね。僕がメンバーに求めるのは、「演奏のうまさ」よりも、「演奏の魅力」。正確に叩けるかっていうことよりも、メンバー自身の音かどうかっていうのを問いたいんです。それが、今回のアルバムで、そういう方向に向かいつつあるって感じられて。軽い達成感を感じましたね。

−−−それは、今までの達成感とは違うものですか?

まるで違うんじゃないですかね。以前のアルバムは演奏自体に編集が入っていたり、コンピューターを使っていたりと、欧米の音楽に近づけようという意識があったと思うんです。だけど、今回のアルバムでは編集っていうのを基本的にやってないし、そのままで十分な感じがしたんですね。もう、欧米の若いバンドや、今の音に近づけなくても十分だって。

−−−私自身も今回のアルバムに変化を感じていて。一番思ったことは、「こんなに歌詞が主張していたっけな」って…。今までと比べて、すごく幅が広がった印象を受けました。

おそらくソロアルバムを作って以降の曲作りが、若干変わってきたんだと思います。今年の頭にソロアルバムを出して、そこで得た成果っていうのがすごく大きかったから。自分ひとりでモノを作るっていう作業は、ほかのメンバーの干渉がないから、よりパーソナルな部分が出てくるんですね。その一方で、「なんでこの部分は、ズボンズの音楽に今までなかったんだろう」って思うことが多くって。あともうひとつバンドとソロの違いとして、バンドで作品を作るとき、いくらアイデアを出したり曲を作ったりしても、95%くらいは形にならなかったんです。でもソロアルバムを作ったときには、全部が形になっちゃって。もしかすると、今までだいぶロスしていたのかもしれないって思いましたね。だから今回は、ズボンズをうまいこと鳴らしつつ、ソロを通じて得たことを汲み込んで、新しい可能性を広げることに試行錯誤しました。それが一番いい形で実現できたのが、先ほど言われてた、「きちんと歌詞の世界があって、ある部分ではきちんとメロディがあって」っていうところなのかもしれませんね。

−−−なるほど。とにかく、今回のアルバムは今までと違うと思うし、とてもカッコイイと思うんですが、正直しっくりくる褒め言葉が見当たりません(笑)。いろんな要素があり過ぎて、うまく説明できないというか…。

それはあるかもしれませんね。僕もブログを書いてるんですけど、このアルバムについてひとつも書けないんですよね。例えば、「これが僕らの最高傑作で、今まで一番いい」なんて書けば書くほど、作品に対して込めている想いや、実際の音楽から、すごく離れていくような感じがして…。それに、みんながみんな「最高傑作だ!」とか言ってるし(笑)。

−−−どの言葉を使っても、ズボンズの音はその言葉の域を超えてる気がするんです(笑)。12月14日(木)には、今作をひっさげての岡山ライブが決まっているそうで。このアルバム、そしてライブをたくさんの岡山人に触れてもらえるように、がんばって文字にして伝えていきますね(笑)。

うん、ぜひ(笑)。僕は、全国にこういう音楽を求めている人の数って、決して少なくないはずと思ってるんです。例えば、なんか周りと違う気がしている子。例えば、みんなが着ている服や、みんなが聴いてる音楽を本気で楽しめてない子。俺たちなら、そういう子たちに、別の道や世界があることを伝えられる気がしていて。ライブにぜひ来てもらって、その人たちの人生に何かしらのアクションを起こせたら最高だと思います。


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