[2004年8月29日来岡]
自作の映画に自らが活弁をつけるというスタイルを確立させた、唯一無二の自作自演活弁監督。異様なペースで撮り続けるナンセンスかつアヴァンギャルドな作品の数は、すでに90本を超えている。撮影は、もっぱら「SHOT&RUN」のゲリラスタイル。
ベスト1は、『赤い髪の女』ですね。
神代(くましろ)辰巳監督で日活ロマンポルノです。これは、傑作中の傑作で、言うことないですね。石橋蓮司主演、中上健次原作で、本当にすばらしい。観れば分かる、男と女の究極の姿ですよ。荒井晴彦さんの脚本がまた、すばらしい。
神代監督の作品には『宵待草』っていう大正ロマンものもあって、その中に弁士が出てくるんですよ。そのファッションも含めていいわけですよ。もともと大正や昭和初期の、和洋折衷のあの時期だけの異様なモダンが好きで、当時の風俗とかファッションに惹かれるんですね。あの頃は活弁師もたくさんいて、みんな三つ揃えスーツにハンチングスタイルなんです。
で、僕のやりたいことと好きなものが合致して、今の活弁が生まれたってところはありますね。本当は、撮影した映像の音を入れるのが間に合わなくて、しょうがないから自分でしゃべったっていうのが、最初の活弁なんですけどね。必要は発明の母ってやつです(笑)。
僕は日本映画が好きなんですよね。
石井輝男監督や石井聰互監督はいいですよ。石井輝男監督の『猟奇女犯罪史』とか『徳川入れ墨師 責め地獄』とかは、すごい。ちゃんと笑いも入ってるんですよ。異常性愛路線っていうやつで、異常なエログロで、首がふっとんだりとかっていうのがしょっちゅう。あっけにとられちゃうくらい残酷なものを展開しつつも、由利徹が常連で、よくコメディリリーフとして出てくるんですよ。
石井聰互監督だと、『狂い咲きサンダーロード』が一番好きですね。あれはすごいですよね、おもしろい。主演の山田辰夫は、典型的なヤンキーの姿の化身ですね。あと、ピンキーバイオレンス系も好きですよ。『女囚さそり 』とかは、僕の作品『女囚マリー』であからさまにリスペクトしてます。