ずーっと楽しみにしてました、この作品。匂ったんです、これは「ハイ・フィデリティ」に似た匂いがすると。
のっけから、「これは恋物語ではない」と断るところが、もうなんつーか女々しくも愛おしいじゃないですか。
この話、脚本家スコット・ノイスタッター&マイケル・H・ウェバーの半自伝らしい。
ジョセフ・ゴードン=レヴィット演じる主人公トムは、魅力的にしてやっかいな女の子サマーに恋をする。ズーイー・デシャネルが演じるこのサマーという子が、「愛を信じてない」もんだから、「友だち」と言いながらセックスまでしてしまう。
こりゃ、トムじゃなくても振り回されますよね。でも、好きなもんだからしょうがない。これがまた、2人を結び付けているものが音楽だったり、映画だったり、「自分のことを分かってくれてる」と感じやすいファクターなんですよね。
ここのところに、脚本家の嗜好ががっちり描かれている。ノイスタッターが好きだという名作「卒業」が引用されているのですが、この臆面もない引用の仕方にこそばゆい愛おしさを感じてしまうのです。
男の人って、かわいーなーと。
個人的には「ハイ・フィデリティ」は超えなかったけど、かなり好きな一本でした。
マーク・ウェブの演出も、かわいくておしゃれ。「かわいい」を理解している男の人、いいですよねー。
これはラブストーリーではないで始まる、とってもキュートなラブストーリーです。
時間軸さえ無視して、尻取りのように出来事が進行し、そこここにちりばめられた心憎い演出も相まって、一瞬も目の離せない作品でした。
話が進んで行くなかで、サマーがトム以上に愛を信じ、愛を求めていることに気付き、とってもいとおしく感じました。
ただ実際彼女のような女性との恋愛って考えると…。
いい作品ですね。