「ヒース・レジャーの遺志を継いで」っていうのが売り文句になってますが、そういうのをヌキで観てほしい。
テリー・ギリアムのファンが期待する映像が、すべて入っています。私が最初にみたギリアム作品「バンデットQ」を思わせる絵作りも、バッシバシ出てきます。「バンデットQ
」の入り口がクローゼットだったのが、本作では鏡が入り口。その向こうに広がる不思議の世界は、「これ、これ、これ!」「待ってました!」と喜ばせてくれるのです。
今回の話は、一見複雑に思えますが、実はシンプルな人間ドラマ。これも言い尽くされた表現ですが、大人の寓話ですね。いうなれば、ギリアムの真骨頂。しかも、いつもよりも万人向け。
とは言いつつも、おかしさも怖さ、弱さも含めて人間味の深度は半端ない。
さまざまな人物が登場してきて、いろんなキャラクターに自分や周囲の人を重ねてみると、ギリアムも思惑にズブリとはまった気分にさせられる。
主演4人(ヒース・レジャー、ジョニー・デップ、コリン・ファレル)が」演じたトニーには人間のリアルを感じ、アンドリュー・ガーフィールドが演じたアントンでありたいと思った。
個人的には、「ちょっと長いな」という気はする。いつも彼の作品に期待するのは、「笑い」と「怖さ」と「ポカンとさせてくれること」。今回は、「ポカン」が少なかったかも。
それが、長く感じさせているんでしょうか。
あと、制作過程で不運続きのギリアム。「今度こそは、完成させられる!」と、詰め込みすぎたのか!?
なんだかんだ言って、私はテリー・ギリアムが大好きだ。
神様、次こそ、彼にスムーズに映画を撮らせてあげてください!!