小泉今日子は、母親役をやるといいですね。これは、豊田利晃監督の「空中庭園」のときも思ったことけど、本作でも再確認。いいです、今回の小泉今日子。
演技がうまいかどうかはジャッジに苦しみますが、なぜか私には、母親役の彼女がしっくりくるのです。100%オカンではなく、女性の部分が残っているバランスがいいのかなぁ。そうかも。
で、監督は黒沢清。この人、何作品も観てますが、未だに得体が知れないところが魅力。「家族」を描いているところから見ると、「最近の流れ」を感じるのですが、やっぱり描き方にひっかかりを作ってくれるのです。
今回の役所広司、あれはアリですか? すごいキワキワな印象。前作の「ロフト」のときも、ユーモアと恐怖のセンスにこそばされた感じがありましたが、今回の役所広司の存在も、ユーモアの意図に軽い翻弄を感じました。
この映画を観ている途中は、「子どもを生むの、怖いな」と思いますが、終わる頃には、「やっぱ、家族ほしいな」と思えます。ここんとこ、多分、大事。
大盛り招き猫堂さん、こんにちは。
黒沢清監督は、はやり、なかなかの作品を作ってくれますよね。
役所広司、多分、「あの人は、何だったの?」的な印象が大事なんでしょうね。
やっぱ、黒沢的ユーモアだと思います。
小泉今日子が、再び車に戻ったのは、なんとなく理解できます。
香川照之、いじましいキャラがうますぎて、そろそろ違う役どころも観てみたいです、個人的には。
役所さんのキャラ、確かに、ユーモアも入っているのかもしれないですね。私は、あれは、奥さんの見た幻かもしれない、とも思いました。日常を超えて、どこかに逃げ出したい、と彼女は思っていて、そんな願望が、あの出来事を(頭の中で)招いてしまった……とかね。黒沢監督の映画は、現実と幻の境界線があいまいなところがあるから、こんな考え方もあり、かな、と。
見た人が自由に解釈できる余白を残しているからこそ、おもしろい映画といえそうですね。
なるほど。おもしろい解釈ですね。
だとしたら、小泉今日子が演じた母は、おもしろいセンスしてる!
きっと、何度か観ると、見えてくるものがある作品って気がします。
黒沢監督、やっぱ、目が離せない。
非情に優れた映画だとおもいます。
奇跡的なショットがいくつもあります。
それはこんどゆっくり話しますね。
ただ、役所広司のシークエンスが幻影だといご指摘ですが、それは長男を一度夢で出してますから、それとは明らかに違うと思うのです。
ただ、あのバラバラになった家族が再生に向かおうとするためには何か大きな出来事が必要で、ちょっとあれはそこを寓話風にしてるんだと思うんですね。
奇跡的なショットのひとつですが、小泉今日子が役所広司と一夜を過ごした後
海岸にたたずんでいると朝日が彼女を照らします。あの神秘的なショットは彼女の変化を象徴しています。
その後、釈放された次男や、事故に合った香川照之が帰宅する時も朝日が当たり明るいショットになります。あきらかにそれまでと色調が変わっています。そこからあのラストへなだれ込むわけで、その伏線となる役所広司は重要な役どころですね。
だから黒沢清にしては珍しい楽観的ラストがよりいきていると思えるのでしょう。
私が思うに、黒沢清監督は、ものすごく上質なコメディセンスを持っていると思うのです。
それが、発揮されるスタイルが、ほかの人と違う。そこに、黒沢イズムがあると思えて仕方ないのです。
昔、「アカルイミライ」のメイキングで、「私は、現場では優しいですが、編集に入ると独裁者になります」と言われていました。
この作品でも、編集を楽しんでいるように感じます。
良介さんご指摘の奇跡的なショットも、次男が階段から落ちるシーンも、津田寛治の食卓での芝居も。
そう考えると、役所広司のキャラ作りは、かなり思い切ったなぁと。
世界観を失わないで変化し続ける監督は、やっぱりスゴイ。
是枝監督も、「歩いても、歩いても」で感じました。
おふみさんへ。この映画、ちょっと、ゴリ押しの描写もありますが、おもしろく見ました。小泉今日子の母親役、私もいいと思います。妙にしっくりきますよね。この映画でも、さりげないけど、とてもよかったです。
役所公司は、確かにキワですよね。私だったら、彼のいる車に戻らないかも、と思いました。こわいもの。泥棒に入った人と旅には出たくない気も……。
ただ、「こんな遠いところまで来て、戻れません」という奥さんのセリフには、説得力あるんですよね。家に戻らず、旅に出るのはいいと思うんですが。
二男を演じた少年、よかったです。香川照之は、いじましいキャラに、ますます磨きがかかってました。