いやー、見応えありました。インターミッションがある映画を劇場で観るのって、「風と共に去りぬ」以来かもしれません。
堂々の3時間22分。でも、観終わって「この時間は必要だったな」と感じました。
山崎豊子の世界を映画に落とすには、これだけの尺は要る。すごく、「観た!」っていう満足感が残ります。
デリケートなテーマをへんにねじることなく、人間ドラマのおもしろさで見せていく。
当たり前といえば当たり前なのですが、この作品には、いい人の役と悪い人の役どちらも演じられる役者がそろっているなーと。
なので、どんなに卑劣な展開があっても、それぞれの役の行動にうそ臭さを感じさせないんですよね。
この映画に出てくる人たちは、みんな「何かを守ろう」とするのですが、それが「何なのか」「何のために自分は闘っているのか」を見失ったとき、すべてがゆがんでいく。その怖さに、どこか身近な感覚を覚えるんです。
主演の渡辺謙、あの目力がこの役にハマッてます。
自分が勤める航空会社への失望で、ケニアの夜のサファリで涙するシーンがあるのですが、その男の泣き顔は必見です。こんな男の涙は、見たことない。
私はケニアのサファリに行ったことがあるのですが、この映画での舞台が「ケニアだったわけ」が分かる気がするんです。これは、観て感じてほしいです。
それを匂わせるシーンも、秀逸。
こんな時代の今だからこそ、観るべき作品かもしれません。
実際私は、観終わったとき、「なんか、やる気」になってました。この映画は、「自分リトマス試験紙」にもなるかもしれません。