これは、話よりも役者の作品だなと思いました。
酒びたりのかつての人気カントリー歌手。自堕落な生活を続ける彼が、ひとりの女性と出会って人生を再度見つめ直す…。
簡単に説明できてしまうこの話を、秀作に仕上げているのは、役者の力でした。
主演のジェフ・ブリッジスはもちろん、相手役のマギー・ギレンホール、脇のロバート・デュバル。彼らの「やり過ぎない迫真」とでも言いましょうか、引き込まれました。
そんな演技を引き出せた監督も、すごいんだろうなと。本作が長編初というスコット・クーパー、気になります。
もうひとつの重要な役者は「風景」。主人公が地方ツアーを巡るので、ちょっとしたロードムービーにもなっています。彼が旅する風景が、心象を描いているようで…。
ラストの風景は、ものすごく「ふさわしいな」と感じました。
鑑賞後感は、すごくいいです。作品から読み取るメッセージよりも、この鑑賞後感をかみしめてほしい作品かもしれません。