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企業の価値は「決算書」だけでは決まらない。自社の企業価値向上に必要な視点とは
- 対談記事
クレジオ・パートナーズ株式会社

—企業価値は、数字だけでは測れない時代へ
- ビザビ
- 昔であれば、企業価値は売上や利益、資産、取引先、経営資源といったもので判断されることが多かったと思います。ただこれからは、人の採用ができているか、採用した人が定着しているかといったことも、企業価値を決める大きなポイントになってくる。金融機関は融資審査に当たり、企業のどのようなところを見ているのでしょうか?
- クレジオ
- 銀行の融資では、近年「事業性評価」という考え方が定着しています。決算書だけでなく、「どんな技術を持っているか」「社員が定着しているか」「将来成長できそうか」こうした点も評価する考え方です。
M&Aや事業承継においても同じで、実際に人材の定着状況や組織体制によって、買い手の評価が大きく変わるケースがあります。
例えば、売上10億円、利益1億円の会社が2社あったとします。一方は、従業員の平均年齢が60代で、離職率が高い会社。もう一方は、30〜40代の社員が中心で、プロパー社員が10年ほど定着している会社。この2社を同じ価値で見るかというと、やはり違います。定量的な軸はもちろん大事ですが、定性的な面も企業価値に影響してくると思います。
—売り手だけでなく、買い手も“選ばれる”時代
黒田 健司(くろだ けんじ)
クレジオ・パートナーズ株式会社 共創戦略部 部長/岡山支店長
百十四銀行に入行後、個人・法人営業を経て、約5年間にわたり事業承継・M&A業務に従事。DFAへの出向も経験し、中小企業から上場企業まで幅広い事業承継・M&A案件に携わる。地域経済への貢献を志し、2025年にクレジオ・パートナーズへ参画。岡山支店を開設し、支店長として地域企業の事業承継・M&A支援に取り組んでいる。
- ビザビ
- M&Aでは、売り手企業が買い手企業を探すイメージがありますが、最近は買い手側も選ばれる時代になってきたとか。
- クレジオ
- そうですね。最近は、一つの売り手企業に対して、3~4社の買い手が手を挙げることもあります。売り手からすると、どの会社に引き継いでもらうかを選べる状況です。 その中で選ばれるためには、買い手企業としての見え方や伝わり方も重要になります。「この会社なら社員を大切にしてくれそうだ」、「自社の文化や取引先を尊重してくれそうだ」。そう思ってもらえるかどうかは、買い手企業にとっても大切です。売り手だけでなく買い手も選ばれるためのブランディングが重要になっています。
—ブランディングは「ing」コツコツ届け続けることが命
山本 正毅(やまもと まさき)
株式会社ビザビ ヒューマンリソース局局長
岡山県倉敷市出身。大学時代は経営学を専攻し、マーケティング論、経営戦略論、流通論などを学んだ。某新聞社主催のEXPOのパビリオンの運営に携わるアルバイトに就いたことで、マスコミ・広告業界に興味を持った。広告部門、出版部門の責任者を経て、2024年ヒューマンリソース局局長に就任。採用ブランディング、人材支援に取り組んでいる。
- クレジオ
- では、企業がブランディングに取り組むにあたり重要なのはどんなことでしょうか?
- ビザビ
- 私たちが力を入れているのは、その企業が積み上げてきた価値を「発見して、言語化して、伝わる形に編集して、発信する」というプロセスです。ブランディングは「brand」ではなく「branding」、ingです。一度やって終わりではなく、コツコツとアウトプットし続けることで初めて伝わる。発信しなければ、どんなに素晴らしいカルチャーも存在しないに等しい。
- クレジオ
- 継続的に発信している会社は、採用市場でも評価されますよね。
- ビザビ
- まさにそこです。企業カルチャーをアウトプットし続けることで、その会社の価値観に共感した人が集まってくる。採用のミスマッチが減り、離職率が下がる。私たちは「離職率」をブランディングの成果指標として経営者に提案しています。短期的な採用コストの話ではなく、組織の健康状態を示す数字として捉えてほしいんです。
- クレジオ
- 離職率が低い会社は、M&Aの評価でも確実にプラスになります。将来にわたって人が定着する組織は、キャッシュフローの安定性に直結しますから。財務と人材、本当に二つで一つですね。
—M&Aとブランディングの視点から考える「企業価値」とは
- クレジオ
- 「企業価値」とは、企業が生み出すキャッシュフローの合計のことだと考えます。過去・現在・将来のどの時点でとらえるかについて正解はなく、ケースごとに考え方を掛け合わせて価値を決めることになります。企業価値はだれが見るかによっても違うのが面白いところで、買い手が「欲しい」と思えば価値は高くなり、そうでなければ低くなるという「一物多価」なものだと考えます。
- ビザビ
- 我々としては、ブランディング視点でみると、企業価値は「過去」に隠れていると考えています。いわゆる創業の精神、企業に伝わる魂のようなものです。われわれがサポートして強みを見つけ、それを言語化することで「価値」になる。近い将来、世の中の多くの業務が生成AIに置き換えられることになるでしょうが、一方で「人間味」のような面が見直され、「どんな人が、どんな想いで働いているか」ということが、企業の価値になるのではないでしょうか。
—「いい会社なのに知られていない」は、企業価値の損失

- ビザビ
- 地域には、本当にいい会社がたくさんあります。優れた技術を持っている会社、社員を大切にしている会社、地域に欠かせない役割を果たしている会社。
でも、その魅力が言語化されていなかったり、外に伝わっていなかったりすることも多い。これは非常にもったいないことです。
知られていなければ、採用でも選ばれにくい。商品やサービスも届きにくい。M&Aや事業承継の場面でも、本来の価値が伝わらないかもしれません。「いい会社なのに知られていない」ことは、企業価値の損失だと思います。 - クレジオ
- それはM&Aの現場でも感じます。「すごい技術がある」「特許がある」「ノウハウがある」とおっしゃる会社でも、業績が伴っていない場合があります。
その場合、なぜ利益につながっていないのかを考える必要があります。いい技術があっても、知られていなければ売れません。評価もされません。まず知ってもらうこと、伝わることが大切です。それができれば、結果として財務面にも良い影響が出てくる可能性があります。
—セミナーでは、企業価値を高める考え方を具体的に紹介
今回のセミナーはどのような方に参加していただきたいですか?
- クレジオ
- 自社の価値とは何か、どれくらいの価値があるのかに関心がある方に来ていただきたいです。
将来的に会社を譲渡する可能性がある方だけでなく、買い手側としてM&Aを検討する方にとっても、企業価値の考え方を知っておくことは大切です。また、買い手側も企業としての見られ方や伝わり方が重要になっています。そうした点に関心のある経営者の方に、ぜひ聞いていただきたいです。 - ビザビ
- 人材の定着に悩んでいる企業の方に聞いていただきたいです。
人が辞めない会社というのは、入社前に会社のことをきちんと知ってもらい、価値観のズレが少ない状態で採用できている会社だと思います。自社の価値を明確化し、適切に発信することの大切さを学ぶきっかけにしてもらいたいと思っています。
—セミナー開催のご案内
8月20日(木)に「企業価値向上」をテーマとした経営者向けセミナーを開催します。
「企業価値」とは、決算書だけで決まるものではありません。
人、組織、ブランド、伝わり方。これからの企業経営において、見えない資産をどう磨き、どう伝えるかがますます重要になります。

—セミナーで学べること
M&Aと事業承継と採用ブランディングの両社の視点から、
・買い手は企業のどこを見ているのか
・人材や組織はどのように評価されるのか
・採用やブランディングが企業価値にどう影響するのか
・地域企業が今から取り組むべきことは何か
などを具体的な事例を交えて解説します。
「自社の価値を高めたい」「将来の事業承継や成長戦略に備えたい」とお考えの経営者の皆さまは、ぜひご参加ください。
—セミナー概要:【経営者・経営幹部向けセミナー】 企業価値が全てを決める。
日時:2026年8月20日(木)15:00〜17:00
会場:岡山国際交流センター 5F会議室
定員:40名(先着順・無料)
申込締切:8月10日(月)
主催:株式会社ビザビ/クレジオ・パートナーズ株式会社
